2011年3月25日金曜日

楽器製作


友達のパウリート。家が近所でジェンベの師匠。ナマズを買ってきました。300円くらい。去年キャンプで食べたけどクサくて骨多くてマズかった。

パウリートは、普段は町役場みたいなところで働いていて、ゴミを集めたり草を刈ったり、病院で亡くなった人の遺体をお墓に運んで埋めたりしている。休みの日には子どもたちにダンスやカポエイラを教えていて、自然と文化を大切にしている暖かい人。

以前からずっと一緒に太鼓叩いていて、楽器をつくる計画を立てていたんだけど、今回ナマズとともにヘビを手に入れてきたので、皮を剝いで太鼓をつくることになった。

体長50センチくらい。死んだときに腹が破れたらしく半分消化されたネズミがはみ出していて、大量の蠅がうなりをあげ、例えるのもオゾましい強烈な腐臭がしていた。

少しずつカミソリで皮を剝いで行く。解剖してみるとヘビの体内がよくわかる。

動物の皮を剥ぐこと自体初めてだったけど、かなりきれいに取れた。なんて残酷なことをしているんだろう!と思った。

最近雨期が終わりに近づいていて、ヘビをよく見るようになった。先週も浴室に小さな黒いヘビがいて、外に出したら子どもたちが殺してしまった。その後塩をまいて紙で死体を燃やしたんだけど、どうやら古い習慣で、別のヘビを呼ばないためらしい。次の日大家さんが15センチくらいの木片をもってきて、それを燃やすとヘビがこなくなると言っていた。こっちのヘビは小さくても毒があるらしく、見つけるとすぐ殺してしまう。


皮は2日ほど水に浸けてから竹筒に張り、完成!

2011年3月18日金曜日

授業始まりました

ようやく今年の授業が始まりました。昨年は7クラス250人いた生徒が今年から4クラス100人程度に減ってしまったので(政府の意向で量より質をとるとのこと)、美術の授業は週2日の午後だけになりました。
ちなみに僕のいる学校は教員養成校で、生徒は1年のカリキュラムの中で小学校で教える全教科の教育法を学び、卒業した後先生になります。全寮制3食付きで授業料も全額免除、選抜された生徒は理解力も学習意欲も高く、年齢のほとんど変わらない僕に対しても敬意を持って接してくれます。

美術の分野は立体造形と視覚芸術に分かれており、僕は立体造形のほうを担当していて、全国で統一されたオールカラーの教科書(生徒は持っていないけど図書室に数冊ある)に沿って授業を進めます。内容はなかなかしっかりしていて、型、陶芸、紙、金属、木工、織り、裁縫、農林畜産と料理まで含まれるのですが、それを1年でこなさなくてはならない上に素材も道具も全くと言っていいほど不足しているので、授業の半分以上は教室で理論を教えていました。でもやっぱり美術の面白さって手の中でものができあがっていくことなので、リサイクルとか身近な素材を取り入れながらなるべく制作の時間を増やしていきたいと思っています。

というわけで最初の授業は陶芸です。といっても学校には窯もなく、なにより僕自身ほとんど経験がないので少し心配でしたが、

とりあえず近所のダムまで粘土を探しに行くことにしました。僕の住んでいる町ナマアシャは山脈の中に位置するため比較的水が豊かで、ポルトガル植民時代に作られたダムが僕が知っているだけでも5つくらいあります。
 蓮の花が咲く穏やかな土地です。
山に囲まれていい気持ちな午後のピクニックでした。
 蛙や蜘蛛や蛇が出て大変でしたが、
無事粘土を発見。黄色、茶色、灰色が混ざっているものをよくこねて使います。
 学校に戻って制作開始です。
 爪楊枝、針金、ロープ、ボトルキャップなどを使って模様をつけました。
 粘土板もないので屋外で。みんな楽しそうでした。
この後本来なら2週間から1ヶ月ほど乾かし窯で焼成するのですが、学校に窯がないため今回の授業はここまでです。今年中にレンガを積み上げて窯を作りたいなと思っています。
国立美術館に展示してある陶器製の太鼓です。ヤギの革を木の杭で張っており、冷たく澄んだ水みたいな音がします。これを作るのが目標です。

2011年3月13日日曜日

海の向こうで

本当に悲しいことが起こってしまいました。自然の力、防ぎようがないとはいえあまりの被害の大きさにただただ驚くばかりです。亡くなった方々、遺族の方々、怪我をしたり避難している方々、そして今も救助を待っている方々、たくさんいると思います。インターネットのニュースで泥に浚われた町の写真を見ました。本当に心から、救済を祈っています。

日本で地震の発生した直後、ジャイカスタッフから連絡を受け、すぐにネットでニュースを見ました。真っ先に頭をよぎったのは原発でした。地震発生直後は「自動停止したため問題ない」とのことでしたが、放射能は漏れてしまいました。

自然の力はもちろんですが、今日私たち人間が手に入れてしまった力も非常に恐ろしいと思います。原子力、遺伝子、世界経済、情報通信技術、一歩間違えば地震や津波以上の被害をもたらすでしょう。加速していく欲望はどこへ行くのでしょうか。ここ数年、異常気象や自然災害が多発していますが、やはりなにか繋がりがあるのでしょうか。

アフリカでの暮らしの中で、新しい生き方を模索していきたいと思います。