2011年5月25日水曜日

ティンビラについて

ティンビラとは、モザンビーク南部のイニャンバネ州ショピ族が発祥の楽器で、木琴の元祖として知られている。木琴自体は今日世界中で見られるが、どうやら生まれたのはここモザンビークらしく、硬貨のデザインとしても使用されている。


スティックは、木の棒にゴムを巻き付けたりや樹液を固めたりして作る。


鍵盤にはこの地方でしか採れないムウェンジェという木を使い、キーに合った大きさのヒョウタンをその下に固定する。

最大の特徴は、共鳴させるヒョウタンの側面に、直径2センチほどの小さな穴が開いていること。この穴には薄いビニール(昔は動物の腸などが用いられた)が張られており、鍵盤を叩くとその空気の振動でビニールが細かく震え、これをさらに小さなヒョウタン(写真のは右から2番目と4番目しかついていない)で共鳴させることで、独特な響きとサステインを得ることができる。




キーは大まかに切り出した後、中央部を削り薄くする。これにより音量が上がり音程が低くなる。音を下げ過ぎてしまった場合は端を削る。パーツの接合には蜜蝋が使用され、その増減でも微妙なチューニングをする。鍵盤の数は基本18、ベースで4から熟練者で26などさまざまで、響きをよくするため紐でゆるめに固定する。

その音色は例えるならアナログシンセや昔のゲーム音楽にも近いものがあり、深み、暖かみと、こぼれるような愛嬌がある。伝統的には、冠婚葬祭や収穫祭、通過儀礼などで演奏され、低音から高音までのさまざまなパートと太鼓、マラカス、笛、そして歌とダンスによってオーケストラを構成する。一方でそのパフォーマンス性の高さから、都市部のライブハウスでアフロジャズのフロントを飾ることも多い。親から子へとリズムとともに受け継がれてゆき、年月が経つほど木が乾き音が良くなるらしい。

http://www.accu.or.jp/masterpiece/27afr_jp.htm






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